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奄美大島の行事

奄美大島の伝統行事は、多くの行事が旧暦で行われている点、方言と同じように集落や地域で多様性があるというのが特徴ではないかと思います。

近年は、より多くの人が集まるように新暦の土曜日や日曜日に変わりつつありますが、旧暦にこだわって行う集落も多く、十干十二支も組み合わせて行われる点も非常に興味深いものがあります。

奄美大島の行事・祭事の起源がはっきりとは分からないという点についても逆に面白いことなのではないでしょうか。

日本本土や九州(大和)からの影響、琉球・沖縄からの影響、中国や朝鮮半島からの影響を感じたりします。さまざまな地域から影響を受けながらも、受容し、独自の文化に融合させ、守り伝えられてきたのではないかということを強く感じます。

奄美大島の置かれた地理的、歴史的変遷なども要因として考えながら理解をしていく必要があるかと思います。

奄美大島では、旧暦八月に祭り・行事が集中している理由については、稲の収穫がすべて終わった時期になりますので、稲作文化の影響ではないかと思われます。

稲の刈り取り、脱穀などの大きな作業が終了し、その集大成として豊作を喜び、神に感謝します。さらに来年の豊作をも祈願・予祝するというような意味合いがあるのではないかといわれています。

特に「アラセツ」、「シバサシ」、「ドゥンガ」を【ミハチガツ】と呼んで、奄美大島の各集落では盛大に行われます。

奄美大島の風景

「アラセツ」は、豊年豊作を祝うとともに来年の予祝を神々に祈願するために、海の彼方の「ネリヤ(ニルヤ)・カナヤ」から神々及び魂を招き寄せます。龍郷町秋名に伝わる「秋名のアラセツ行事」の「平瀬マンカイ」にその行事を見ることができます。

「アラセツ」は文献などでは新しい節目という意味合いから「新節」という文字を使っています。

旧暦八月の最初の丙の日に「アラセツ」が行われ、その日から数えて7日後の壬の日に「シバサシ」が行われます。

「シバサシ」は、各家々の軒先にシバを突き刺して家々から悪霊を追い払う、あるいは家々に悪霊を入れないという行事で、シバにはススキがよく使われています。

「シバサシ」の前に行われた「アラセツ」で、多くの神々、魂を招きよせるのですが、必ずしも良い神様、魂ばかりが来るとは限らないとの考え方からなのでしょうか、「シバサシ」で悪霊を追い払う、あるいは家々や集落内に悪霊を入れないという行事が「アラセツ」の7日後に行われます。

「アラセツ」から「シバサシ」までの7日間は、八月踊りを踊りあかします。かつては7日7晩踊りあかして豊年豊作を喜び、神々に感謝をしていました。

それから「コウソナガシ」と呼んでいる先祖の魂を供養する「ドゥンガ」。「ドゥンガ」は土の神の祭りといわれ、先祖を供養する祭りが行われます。土葬が行われていた時代には、改葬を行う日でした。土葬後の七年忌あるいは十三年忌に遺骨を掘り起こし、洗骨をして改めて納骨をする儀式が行われていました。

近年は火葬が主流となっており、その必要性がありませんので「ドゥンガ」の行事はほとんど見られなくなってしまいましたが、墓を建てる時や建て直す時にこの時期を意識する人もいます。

この3つの行事を【ミハチガツ】と呼んでいます。

引用:奄美ガイドブック わたしたちの奄美大島

「奄美大島の行事・祭事と、古民家の特徴」より引用